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人材マーケットで高価値人材になる
人材マーケットで、10年後も売れる人材でいるには
一人でできる格差対策

日経平均株価は下降曲線を描き、公式報告の景況とは裏腹に「格差社会」の四文字が、多くの日本人の心を暗く覆っている。失われた10年を経て、古き良き日本的人事制度が瓦解し、雇用不安は労働者にとって特別な不安ではなくなった。人材もまた市場価値算定の規則にならい、年収は純粋に個人の能力と価値を示す数値となった。実際のところ、格差を示すとされる経済指数自体には、10年前に比べて大きな変化はない。しかしながら、強い日本経済像が脆くも崩れ去り、社会保障制度に信頼がおけなくなった社会では、不安は杞憂に終わりそうもない。

とはいえ、この閉塞感を打ち破る方法はある。自分のために自分の力でできることが、一つだけある。
人材マーケットでの価値を高め、キャリアの成功とともに高収入を得ることだ。

年収1500万円の負け組の可能性 リスクは個人に帰する時代
この先10年、少子高齢化により、労働人口の年齢構成は大きく変化していく。必然的に、職業寿命は延び、就業形態は現在以上に多様化する。変化が大前提の人材マーケットで、私たちが一つ肝に銘じなくてはいけないのが、リスクは個人が引き受けるという認識である。
雇用の確保やキャリア育成は全て、自分の責任範囲で行なわなくてはならない。この認識に欠けると、例え年収1500万円の人材であっても、ひとたび不況に見舞われた企業からリストラされれば、汎用スキルがない高年収の人材として、人材マーケットを漂流し年収減の転職を繰り返すことになる。逆を言えば、従来社会では動かしがたいと思われていた年齢や学歴のハンデをひっくり返すことも可能になる。
評価され続けるキャリアというのは、漫然と人任せに生きていては手にできない。
キャリアプランも偶然にさらされる
キャリアを自己責任で作り出していく上で、キャリアプランが必要不可欠だということは周知である。とはいえ、綿密に作られた計画ほど、予定通りにいかない。外部要因は常に予測不可能な部分を含んでいるからである。
では自分のキャリアが、プランを外れてしまったときどうすべきなのか。とるべき対応は、その状況を主体的にコントロールすることである。キャリアを自分で創りだす。これを実行するには、予定外の要因もポジティブな結果につなげる能力が問われる。
計画された偶然性
明確なキャリアプランを持ち、強い意志の力でプランを実行していく。このような考えが当然とされているアメリカにも、この逆を指摘するキャリア理論がある。「計画された偶然性の理論(Planned Happenstance Theory)」(スタンフォード大学クランボルツ教授)では、偶然がキャリアを形成すると提唱している。

従来の戦略的キャリアプランと相反しているように見えるが、キャリア形成を現実的な視点でみると表裏一体だと感じる人は多いのではなだろうか。想定外の出来事が、自分を成長させる、より良いチャンスを運んでくるというのは、よくある話である。「急がばまわれ」。そういうときが確かにある。
偶然に頼れというのでは、もちろんない。しかしゴールへの道は一本道ではない。偶然は利用できるものである。想定外のミッションで、視野を広げるだけでなく、課題の理解力や問題解決力といった、ビジネス上必須の汎用スキルを身につけることもできる。
実はこういったスキルは、安定した環境で、限られた範囲の仕事を何年繰り返していても身につかない。誰もが知る大手企業で新卒から5年勤めた人材が、転職をしようとしたとき同業他社から敬遠されるのは、そもそもこういったビジネス上の汎用スキルを持っていないと認識されているからに他ならない。
できる人は、自分の10年後を知っている
いかに今後労働需給が厳しくなろうとも、企業が採用スペックをさげることはない。重要で高給なポジションであるほどにその傾向は残る。必然的に限られた能力ある人材の奪い合いとなり、就業形態の多様化もそれをサポートするだろう。
奪い合われる人材になるためには、見極めが重要だ。今の環境が、自分に何をもたらすのか。例えば、今35歳の人であれば、現在の働き方の結果は10年後にキャリアの価値として如実に現れる。
現在、成功している人は10年後も成功しているために、不満がある人はそれを覆す手立てを見つけ出すために、目前の仕事の、その先を考えよう。
職業寿命が伸びた分だけ、先が長くなった。長いからこそ、逆転成功もあれば予想外の転落もある。安心するのも、絶望するのも、まだまだ早いということになる。
各務 正人
1973年 岐阜県生まれ。
欧米系証券会社のシステムアナリスト・デリバティブトレーダー、外資系ソフトウェアベンダーのリージョナル・マネージャーを経て、2004年に株式会社グローバルウェイを起業。人材紹介では、経歴の強みを活かして、外資系証券、外資系IT企業のエグゼクティブ層に実績が多い。
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